スタートレック ヴォイジャー
「結束の力」

作 トレタマ


あらすじ : ホロデッキで新しい、プログラム開発に仲良く取り組むムとハリー。VOYのピンチを2人が救う。

Rating : G、P&K

著作権について: テレビ番組「スタートレック・ヴォイジャー」の登場人物、その他の著作権はパラマウント社が所有しています。この作品はファンの娯楽のみを目的とするもので、パラマウント社の著作権を侵害する目的で書かれたものではなく、またこの作品によって作者その他が利益を得ることは一切ありません。


キャスリン・ジェインウェイ 宇宙艦隊大佐    
チャコティ 元マキ実行司令官          
トゥヴォック 宇宙艦隊少佐           
ベラナ・トレス 元マキ主任機関士        
トム・パリス 宇宙艦隊少尉      
ハリー・キム 宇宙艦隊少尉    
ニーリックス タラクシア人     
ドクター 
セブン・オブ・ナイン 
U,S,Sヴォイジャー艦長
U,S,Sヴォイジャー副長
U,S,Sヴォイジャー保安主任
U,S,Sヴォイジャー主任機関士
U,S,Sヴォイジャー主任パイロット
U,S,Sヴォイジャー主任ナビゲーター
デルタ宇宙域ガイド
U,S,Sヴォイジャー搭載 緊急医療ホログラム
元ボーグ     現在個人として生きている。





  第1章

 「コンピューター、プログラム終了。」
 ハリーがそういうと、美しい緑の楽園が姿を消し、替わりに銀色の壁が現れた。

 「だめだめ、やっぱりこんなんじゃ、地球は再現できないよ!」とパリスが言う。
 「そうかなあ、僕には完璧に感じたけど・・・。」と、ハリーが答えながら、ホロデッキから出た。
 「おいおい、何言ってんだよ。あれじゃあ、緑の楽園のくせに、蚊の一匹もいなかったじゃないか。」とパリスが愚痴をこぼす。
 「それが良いんじゃないの。虫が一匹もいないから、医療室に行って、クリームをもらう必要もないんだよ。」とハリーが言い返した。
 「ほんとに何言ってるんだよ。あのな、虫がいるからこそ自然が成り立っているんだぞ。蚊が一匹もいない自然を考えてみろ、数千年前から自然が消えているじゃないか。」

 そんなことを言い合っているうちに、二人はブリッジに着いていた。
 ジェインウェイが、「地球の様子はどう?」と尋ねる。
 「だめですよ、どうしても蚊一匹一匹を表現できないんです。どうすればいいか迷ってるんですよ。あのおぼっちゃまは、『医療室へ行く必要がない』なんて言っていたんですけどね。」
 コンソールのハリーが、むっとこっちをにらんだ。
 「出来る限りリアルにしてね。チャコティ、あとおねがい。」
 そういいのこし、艦長は作戦室へ行った。



 そのとき、数光年離れた巨大な宇宙船が、ガス星雲の中からヴォイジャーを警戒していた。
 「ナビゲーター、ヴォイジャーの武器の内容はスキャンできるか。」と、背の高いヒューマノイドは言った。
 「出来ます。奴らの持っているものは…かなりの量のダイリチウム結晶体ですね。あと、様々な鉱石もあるようですね。襲う価値はあります。それに、ホロデッキから、ホログラムを送り込み、偵察することが出来ます。そうすれば、さらに細かい戦略などを、ホロデッキからダウンロードできるでしょう。」と、ナビゲーターが言った。
 「じゃあ実行しろ。」



 翌日パリスとハリーは、ホロデッキに入った。

 「さあ、今日こそ完璧な地球を作るぞ!」と、やる気満々のパリス。
 早速パネルに手を振れ始めた。すると、周りの銀色の壁が消え、緑の木や花が現れた。
 「おおっ、これで完璧だ!周りには蝶がとび、川には魚が泳いでいる。はっはっは、これぞ完璧な地球というものだ!」とパリスが満足そうに笑う。
 「わあ、また蚊だよ。もう、この蚊を消してくれないかな。クリームを持ってこないと、刺されてたまらないよ。」とハリーが叫んだ。
 「まったく、それじゃあ自然の意味がないじゃないか。蚊がいやだからって簡単に消してちゃあ、自分が支配者みたいになっているじゃないか。すべてを自然界に任すんだよ。」
 ハリーが怪しそうに、「ふーん、君がそんなことを言うとは思ってもいなかったよ。」と皮肉った。
 「悪かったな。」とパリスがパネルにさわろうとしたとき、突然見慣れない人間が現れた。
 その人間はあわてたように周りを見回すと、「コンピューター、プログラム終了。」と言った。
 その人間は一瞬にして消えてしまった。
 二人は顔を見合わせた。



 「でも確かに見たんです。突然見慣れない人間のホログラムが現れ、自分で『プログラム終了』、て言って、消えちゃったんですよ!」と、パリスがミーティングルームで熱心に説明している。
 しかし、誰も彼らの話を信用しようとはしない。
 「そんなことありえないわよ、ホログラムがじぶんをホログラムだって判るはずがないし、仮にそうだったとしても、ホログラムは自分でプログラムを終了させることなんかできないわよ。」と、トレスが叫ぶ。
 「とにかく、これからしばらく地球のプログラムは開かないこと。これは艦長命令です。」
 パリスとキムは悲しそうに、「了解。」と声を揃えて言ったのであった。



 地球のプログラムを開けなくなってしまったので、パリスとキムは他のプログラムで楽しむことにした。
 バルカンのあいさつをフェレンギの挨拶にかえたり、フェア・ヘブンのプログラムで輪投げ勝負をしたり。しかし、どうしても退屈でしょうがない。
 パリスがもう出ようかとしたとき、数日前に出てきたあの男が現れた。
 「お前は誰だ。」とハリーが聞くと、その男の他に4人の仲間が現れた。4人の仲間はパリスたちを襲ってきた。
 急いで逃げ、「コンピューター、出口を!」と叫んだ。二人は扉に飛び込み、何とか脱出に成功した。



 この事件より、しばらくホロデッキは閉鎖され、パリスは仕方なく操舵席に腰を下ろした。



 「艦長、右舷より船が接近中です。」とハリーが叫んだ。
 「船種特定。ボーグです。」
 「非常警報!全クルー、戦闘配置!」
 あたりが暗くなり、壁に赤いラインがはしった。
 「攻撃してきます!」
 「スクリーンオン。フェイザー砲用意。」
 緑のビームがヴォイジャーに直撃した。
 「パリス少尉、インターセプトコースをとってちょうだい。反撃して。」

 しかしフェイザーは真っ暗な宇宙空間をイナズマの様に突き抜け、ボーグ・キューブの表面で小さな爆発を起こしただけで、すぐに消えてしまった。
 キューブからトラクタービームが発射された。
 「シールド周波数を変更しろ。」とチャコティの声が、ハリーの耳に突き刺さる。
 「効果がありません。シールドダウン!」
 「あと20秒でスクリーン消失します。」
 ヴァルカン人の落ち着いたこえが聞こえた。
 「シールド、ダウン!」

 通信が入った。
 「スクリーンへ。」
 スクリーンにはキューブの内部が映っていた。
 「我々はボーグだ。お前達の船を征服する。今すぐ我々がお前達の艦に乗船する。そして、お前達は我々の船に乗船しろ。抵抗しても、無意味だ。」
 声が何重にも重なって聞こえていた。その声が終わったとき、ブリッジクルーの顔はすべて引きつっていた。



 第2章

 150人のクルーは、皆キューブに転送され、代わりにキューブにいたボーグの何人かが、ヴォイジャーに乗り移った。

 「ここはどこかしら。」とジェインウェイがつぶやく。
 「何とかしてヴォイジャーを取り戻さないと。キューブから情報をダウンロードできないかしら。」
 「できます。」ハリーがトリコーダーをとりだした。
 「ヴォイジャーから転送されるとき、持ってきたんです。あそこのパネルからダウンロードできると思います。」と言い、パネルに向かった。
 彼の姿を見たジェインウェイは思った。アカデミーを出て最初の任務がヴォイジャーだった。なんと不運なクルーだろう。しかし、今やもう立派な仕官に成長している。ハリーはそんなことをよそにトリコーダーを片手に作業を続けている。



 ダウンロードが終了したので、みんなのところへ戻っていくハリー。そこではセブンがある提案を持ちかけていた。
 「ヴォイジャーに誰かを転送して、ヴォイジャーにいるボーグの誰かに、あるウイルスプログラムを注入すれば、ヴォイジャーのボーグは滅びるはずだ。」
 ベラナが口をつっこむ。
 「だけど、どこに転送されるか判らないのよ。転送は可能だけど、周りがボーグだらけってこともあるじゃない。」
 「わかっている。だが、ここでじっとしていては、いずれ同化されてしまう。」

 ジェインウェイは、セブンにいつもとは違うオーラを感じた。
 「だれがいくの?」とジェインウェイがあたりをぐるっと見回す。すると、パリス、ハリーが目を輝かせる。

 「少尉、ほんとに良いのか?」とチャコティが言う。
 「2人で協力すれば、何でもできます。艦長たちに、絶対地球のプログラムを体験させてやります。」
 2人は、ふっとほほえんだ。

 光とともに現れた2人がいたのは貨物室だった。すぐにフェイザー・ライフルを探す。部屋から一歩出た。すると、廊下には壁にボーグの触手が無数に突き出していた。2人は立ちすくんだが、すぐに進む。



 ボーグ・キューブ。

 キューブの攻撃システムを落とすため、ジェインウェイ達は中央の原子炉に向かった。



 宇宙船。

 「ダウンロード終了。奴らの武器は、フェイザー砲や光子魚雷です。かなり苦戦するはずでしたが、やつらの戦略を完全に把握しましたので、必ず勝てるでしょう。」
 そのとき、別のパネルから音が鳴った。

 「司令、船がヴォイジャーに接近中。ボーグです。攻撃準備中。」
 「よーし、絶好のチャンスだ。まずボーグ・キューブにダメージを与えてもらい、一気にカタを付けよう。パイロット、コース変更。最大ワープだ。ヴォイジャーを追え。」

 巨大な宇宙船は、ヴォイジャーの方にすっ飛んでいった。



 ヴォイジャー。

 2人はターボリフトのドアを開けた。緊迫した中、うなる音と共にドアが開いた。そこには、ボーグがたっていた。あまりの出来事にハリーは絶句した。パリスは、すぐにフェイザーを構える。しかしボーグは、こっちを向いただけで、無視して通っていった。ほっとする2人。



 ボーグキューブの内部で、ジェインウェイ達4人は原子炉に到着。セブンは指示を出している。そのとき、ボーグがこっちへやってきた。

 「ニーリックス!」とベラナが叫ぶ。ニーリックスはすかさずフェイザーを発射する。
 ボーグは床に倒れた。


 「さあ、これから何発効くかわからないから、急ぎましょ。」というジェインウェイ。
 普段は対立しているセブンとベラナも、今日は互いにうなずきあい、協力している。
 チャコティは何かできないのか、と焦った。そのとき、ジェインウェイにボーグがつかみかかった。チャコティは、何も考えずにボーグに飛びついて、顔を殴り倒した。さらにチャコティはボーグを抱え上げ、後ろからきたボーグに投げ飛ばした。
 ジェインウェイはチャコティを見つめた。


 ヴォイジャー。

 観察ラウンジに着いたトムとハリーの2人は、引き金に力を入れ、ドアの前に近づく。小さな摩擦音がラウンジに響いた。ドアの目の前に、ボーグがたっていた。

 パリスは、一歩退いただけで捕まれた。腕を首の横に近づけたとき、ライフルが火を噴いた。
 ハリーは無表情でボーグを撃ち殺した。目線を一瞬だけあわせる2人。2人はブリッジに飛び込んだ。銃撃戦が始まる。
 「ハリー、あいつを狙ってくれ!俺のコンソールに座ってやがるバカによ!」

 ハリーがフェイザーを向ける。撃つ。しかし、適応したらしい。こっちに向かってきた。

 「ハリー、来い!」

 パリスはジェフリーチューブのはしごをするすると下りていく。着いたさきは、第12デッキ、ホロデッキだった。




 第3章

 ボーグ・キューブ。

 攻撃システムの破壊に成功した。
 「少尉からの連絡はまだ来ないの?」とジェインウェイが叫ぶ。
 「まだです!」チャコティが叫ぶ。
 「また3体来ました!」
 「フェイザーは?」とトレスが叫ぶ。
 「適応してて、効かないんだ!うわっ!」
 チャコティが捕まれた。しかし、そんなことで引き下がる彼ではない。顔と肩を繋いでいたパイプをつかむと、思いっきり引きちぎった。
 「ボーグの倒し方リストにのせとかなきゃね。」
 ジェインウェイが笑った。



 ヴォイジャー。

 パリスとハリーは、ホロデッキに逃げ込む。大急ぎでコンソールにふれる。扉からガンガン音が聞こえる。
 ドローンはドアをこじ開けた。中には、緑の大自然が広がっている。

 ボーグはあたりにプラズマ兵器を撃ち続ける。あたりに銀色の壁が現れ始めた。と、そのとたん横から2人が飛びかかってきた。パリスは木の棒で、ボーグを殴り倒した。そしてすかさずハリーが、ボーグに首にハイポプスプレーを打ち付けた。

 「でもなぜホログラムで気絶するんだ?」とハリーが尋ねる。
 「安全装置を解除したのさ。」とパリスが笑う。
 「さあ、転送室へいこう。全員をさっさと収容しないと。」とホロデッキを出ていった。
 ヴォイジャー内のすべてのボーグは、火花を散らして吹き飛んだ。



 ボーグ・キューブでも、ボーグはすべて死んでいた。

 「さあ、私たちがキューブを操作することにしましょう。セブン?」
 ジェインウェイは笑った。
 「了解。」

 そのときパネルから音が鳴った。
 「艦長、右舷より船が接近しています。」
 と、ボーグが起きあがった。
 「う・・・。」


 「あなた名前は?」
 ジェインウェイが尋ねる。
 「・・・。」
 ボーグはだまる。
 「じゃあ、識別コードは?」言い換える。

 「スリー・オブ・ファイブだ。」
 「じゃあスリー、これから船が近づいてくるんだけど、手を貸してくれないかしら。」とジェインウェイがいう。

 「艦長!」
 「お前達を征服する。」ジェインウェイがため息をつく。
 セブンが言う。
 「手伝ってくれ。この船を破壊すれば、お前は個人として生きれる。本当の人生を取り戻せるんだぞ。自意識が目覚めるんだぞ。」
 「自意・・・識?」
 ボーグはコンソールに手をふれた。




 2人は転送室に向かっていた。そのとき警告がなった。
 「警告。右舷より船が接近中。攻撃準備中。」
 2人はすぐにブリッジに向かった。


 「コンピューター、ECHを起動しろ。」
 コンピューターの音と共に、赤い制服の男が現れた。大佐の階級だ。
 「やれやれ、ついにこのときが来たか。状況は知っている。さあ、パリス少尉、コース変更、方位655。」
 「了解!」
 パリスの声が響いた。

 キューブも動き出していた。そのとき右舷より巨大な船が現れた。
 「スリー、奴らに攻撃するんだ!」
 チャコティが叫ぶ。船のシールドに直撃した。

 「いままで敵だったボーグ艦を操作するとは。」とジェインウェイが叫んでいる。
 「だめだ、やつらにはかなわない。」とスリーが叫ぶと、トラクタービームをヴォイジャーにロックした。
 「何をしてるんだ!」とセブンが叫ぶと、両艦は、緑の光と共にトランス・ワープに入った。




 「どうした!」と司令が叫ぶ。
 「ボーグがトランス・ワープで逃げています。ヴォイジャーをトラクタービームで引っ張りながら。」
 「我々も追え!」と司令が叫んだ。
 「了解!」



 両艦がたどり着いたところは、真っ赤に燃えさかる恒星の近くだった。宇宙船も近くに来ていた。
 「キム少尉、宇宙船に魚雷の照準をあわせたまえ。すぐに発射だ。」
 魚雷は宇宙を突っ走り、シールドに直撃した。



 ボーグ・キューブが、相手の攻撃システムを攻撃している。そのときスリーが叫んだ。
 「このあとは我々に任せろ。お前達は転送でヴォイジャーに戻れ。」
 「そんなことできるか!」とチャコティが反論する。しかし、ジェインウェイは転送装置を作動させた。



 「司令、トラクタービームで捕捉されました。引っ張られています。」
 「反撃しろ。」
 ボーグ・キューブは猛攻を受けながらも、ゆっくり進んでいる。
 「司令、大変です!キューブは、自らの艦と共に、恒星に向かっています!」
 「ヴォイジャーのために自分を犠牲にするのか!いままでなら、そんなことはあり得ないはずだ!」と司令が叫んだ。司令はパネルに手を触れると、魚雷をキューブにうち続けた。しかし、その次、パネルは火を噴き、司令は床に崩れ落ちた。



 「ボーグ・キューブがトラクタービームを発射した。宇宙船を恒星に引き込んでいる!」
 ヴォイジャーよりキューブへ。今すぐその行為を停止させろ。」
 しかし、応答がない。
 キューブは恒星に迫った。スリーは、どんどん気温が上がっているキューブのなかでパネルを操作し続けていた。そして、最後のコースを設定すると、スクリーンに映っているヴォイジャーを眺めるのだった。



 パリスがコンソールの上で素早く指を動かしている。あと数十秒でキューブは恒星に突っ込んでしまうのだ。パリスは悲しそうな目でキューブを見つめると、パネルのスイッチを押した。ヴォイジャーが離脱した瞬間、ボーグ・キューブは、巨大な宇宙船と共に恒星の中に突っ込み、大爆発を起こしたのだった。



 「あーあ、ひどいもんだよ。」とパリスがうなった。
 「どうしたんだい?」とハリーが顔をあげる。
 「ボーグとの戦闘で、ホロデッキにダメージを受けたんだよ。半分以上が消えちゃったよ。」
 「それじゃあ、またこのプログラムは再建だね。」とハリーが残念そうに言う。そのとき通信が入る。
 「パリス少尉、キム少尉、2人ともブリッジへ出頭せよ。」
 「了解。コンピューター、プログラム終了。」
 


 2人がブリッジへいくと、上級仕官がクラッカーで2人を出迎えた。

 「いったい何なんですか。」とハリーが笑いながら言う。
 「あなた達はヴォイジャーの危機を救い、宇宙船を撃破できました。ハリー・キム少尉、あなたには宇宙艦隊の勲章を授けます。」と言い、ジェインウェイは、ハリーの胸にバッジをつけた。
 「そしてパリス少尉、あなたはホロデッキでハリー・キム少尉を助け、その操縦でヴォイジャーを素早く移動させてくれました。あなたにはこれを授けます。」と言い、パリスに小さな箱を渡した。
 パリスが箱を開けると、中には、彼が何ヶ月も待ち望んでいたものが入っていた。中には、美しく輝く黒い階級章が入っていたのだった。パリスはバッジを襟につけると、うれしそうに操舵席に座った。

 「ではパリス中尉、コースをアルファ宇宙域に設定。」

 「了解。」とパリス中尉が叫んだ。

 「発進。」


終わり


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