スタートレック ヴォイジャー
「もう一人の管理者」

by トレタマ


 「艦長。信号を確認しました。」
 オペレーション席で、キム少尉が報告した。
 「間違いなく、強力な亜空間電磁波が放出されています。おそらく大規模な空間の亀裂や、ワームホールかも。」
 「しかし、タキオン放射線も放射されている。時空連続体の渦かもしれません。」
 前の席からパリスが叫んだ。
 「場所は?」
 ジェインウェイがチャコティと一緒に降りてきた。
 「ここからかなり離れてます。方位1−9、マーク8。」
 チャコティが自席へ戻って、手元のパネルをチェックした。
 「進行方向からほぼ左へ90度進んだところです。相当回り道をしなければなりませんね。」
 チャコティが言った。
 「でも行ってみる価値はあるわ。」
 後ろの科学ステーションにいたセブンが振り返った。
 「艦長、今ヴォイジャーは深刻なエネルギー不足だ。それに食料も不足しているし、いま何日も回り道すれば、危険では?」
 「そうね。でもあそこに何があるかわからないわ。もしかしたらそこからエネルギーを抽出できるかもしれないし、ワームホールかもしれない。ミスター・パリス、コースをその座標にセット。最大ワープ速度よ。」
 「了解。」
 パリスがコースを入力し始めた。
 ヴォイジャーは向きを変え、ワープに入った。


第1章

 『艦長日誌。宇宙歴51772.9。
ワープ9で30時間跳び続け、ようやく目的地に到着。この回り道で、故郷への燃料1週間分は消費してしまった。この現象にはそれなりの価値があることを祈りたい。』

 「到着しました。」
 パリスが言った。
 「スクリーンへ。」
 キムがワームホールの映像を出すためにコンソールを操作した。
 唐突にスクリーンが光り、いきなり緑と青で覆い尽くされた。ジェインウェイは目を細めた。
 「縮小して。」
 その緑と青の渦が少し小さくなったが、スクリーンに宇宙空間は見えない。
 「倍率を最小に縮小して。」
 スクリーンが切り替わる音だけが聞こえ、その渦は点滅し始めた。やがて、ようやく渦の周りの宇宙空間が少しだけ現れた。
 「これはおそらく史上最大のワームホールだな。」
 パリスが誰となく言った。
 「直径はおよそ40キロメートル。ボーグキューブでも易々入るぐらい大きいですね。」
 キムがスクリーンに現れた情報を見て言った。
 「ワームホールなの?」とジェインウェイが尋ねた。
 「おそらく。内部の電磁波のレベルから見て、相当安定しているみたいですね。しかし、徐々に縮小しているようです。」
 スクリーンの渦は、未だに光を放っている。
 「反対側はどこにつながってるの?」とジェインウェイ。
 「アルファ宇宙域へは、25%の確率でつながってますね。悪くない数字ですよ。」
 キムがはしゃいだ。
 どこかで聞いた台詞だと思いながらジェインウェイが言った。
 「そうね。ベータ宇宙域でもまだいいし、ガンマ宇宙域ならベイジョー・ワームホールを探せばいいわね。」
 「艦長。」
 トゥヴォックが艦長を呼び止めた。
 「亜空間センサーで向こう側を探索していますが、アルファ宇宙域にはつながっていないようです。」
 キムがため息をついた。
 「本当なの?」とジェインウェイ。
 「間違いないでしょう。連邦のテクノロジーも存在しませんし、アルファ宇宙域特有の放射線や亜空間構造もありません。あ、どうやら、ベータ宇宙域でもないようです。」
 キムがさらに大きなため息をついた。
 「おいハリー。ガンマ宇宙域につながってりゃ、DS9に帰られるかもしれないだろ。」
 「どうやら、ガンマ宇宙域でもないらしい。ドミニオンのワープ素粒子も見つかりません。」
 「残念ね。どうやら故郷へは行けないわ。でも、ここから故郷へ近づいた所へつながっていれば、まだましかもしれないわ。」
 「いえ、艦長。」
 トゥヴォックが低い声で言った。
 「非常に非論理的な話ですが、デルタ宇宙域にもつながっていません。このワームホールは、この銀河系のいかなる場所にもつながっていないようです。」
 「ということは、別の銀河系につながっていると言うこと?」とジェインウェイ。
 チャコティもやってきた。
 「銀河系だという保証はありません。銀河と銀河の間の、星系のない空間かもしれません。」
 「詳しくわかるか?」
 チャコティが戦略ステーションをのぞき込んだ。
 「何とも言えませんね。この亜空間センサーではそれより先はスキャンできません。」
 「ワームホールを抜けましょう。ブリッジよりベラナ。」
 機関室でベラナが受けた。
 「はい艦長。」
 『目の前にあるワームホールの電磁波に対抗できるようにシールドを調整できる?』
 「もう調整済みです、艦長。いつでも突入できます。」『ありがとう、ベラナ。』
 「艦長。ワームホールに飛び込む気ですか。」トゥヴォックが顔を上げた。
 「ええ。見ての通り。」
 「なぜですか?この銀河系のどこにもつながっていないワームホールを。危険ではありませんか?」
 ジェインウェイがため息をついた。
 「トゥヴォック、向こうには何があるかわからないわ。もしかしたら地球へ帰還できる何かがあるかもしれない。・・・といっても他の銀河系だけど。それにこの燃料不足の状況を変えられるかもしれないでしょ。パリス、コースをワームホールにセット。推進エンジン最大。」
 ヴォイジャーがゆっくりと動き出し、渦に入り始めた。
 入った瞬間船が大きく揺れて、非常警報が自動的に発令した。
 「報告!」
 ジェインウェイが叫んだ。
 「シールド出力低下。放射能レベルが上がってきてます。」
 『警告。ワープコアに放射能汚染が発生。ワープコア機能低下。』
 コンピューターの抑揚のない声が響く。
 「トム、出るまでどれぐらい?」
 「わかりません、艦長。センサーダウンです!全然、先が見えません!」
 「トゥヴォック!」
 ジェインウェイが振り向きざまに言った。
 「センサーを回復させて!今すぐに・・・」
 その時、突然揺れが止まった。
 ヴォイジャーが渦から出てきた。
 静かになるブリッジ。
 「報告。」
 キムが報告した。
 「シールドに揺らぎあり。現在補正中。負傷者はなし。船体にもダメージはありません。」
 「艦長。ワームホールの亜空間軌道を計算しました。ここは先ほどから9万光年近く離れた所のようです。」
 トゥヴォックが改めて顔を上げた。
 「ここは、隣の銀河系です。」


第2章

 スクリーンに二つ銀河系が映し出されている。
 「これが我々の銀河。」
 そういって左側の銀河を指さした。
 「そして、これが現在我々がいる銀河系です。」
 右側の銀河を指さした。
 「ワームホールの軌道や位相配列で計算しました。我々は、我々の銀河で言うアルファ宇宙域までやってきたようです。そして、興味深いことですが、このワームホールは自然に発生したものとは違います。どうみても人工のものです。」
 チャコティとジェインウェイが顔を見合わせた。
 「ベイジョー・ワームホールに続く快挙か。艦長。バークレイ大尉から通信がきたとき、彼はマイクロ・ワームホールの位相配列をコントロールして、軌道を変えてましたね。その方法を試してはどうでしょう。うまくすれば向こう側 の出口の場所を変えることができるかもしれません。」
 そばにいたトレスが発言した。
 ジェインウェイが指を立てた。
 「マイクロ・ワームホールは小規模だから少ししか軌道を変えられないけど、これほど大規模なワームホールなら3万光年ほど動かせるかもしれないわね。」
 そこでジェインウェイは言葉を切った。
 「・・・とはいえ、見知らぬ銀河にやってきたんだから、もっとスキャンしてみないとね。」
 そのときキムが艦長の言葉につなげるように報告した。
 「艦長。センサーが、ある種のテトリオンビームをスキャンしました。」
 「テトリオンビーム?」
 ジェインウェイがもしやと思ってキムの方にやってきた。
 「ビームの波長は、管理者のと一致しています。」
 ジェインウェイとチャコティが顔を見合わせた。
 「と言うことは、この近くに管理者がいるって言うこと?」
 トゥヴォックがコンソールを操作している。
 「その可能性もありますね。」
 「艦長。方位1−8−6、マーク6に浮遊物を発見しました。」
 ジェインウェイが振り返った。
 「スクリーンへ。」
 スクリーンがいきなり真っ白になった。
 「すみません、倍率が最大のままでした。」
 キムがそう言いながら倍率を下げた。
 やがて管理者のアレイステーションがスクリーンに収まった。
 「形状や素材は以前の管理者のものと一致しています。しかし、大きさは段違いです。およそ100分の1です。」
 ジェインウェイが命じた。
 「呼びかけて。」
 キムが首を振る。
 「応答なし。」
 「パリス、ステーションに近づいて。転送距離までね。」
 「艦長、乗り込む気ですか。」トレスだ。
 「ええ。何とか彼女を説得して、アルファ宇宙域へ戻れるように取り次いでもらわないと。」
 トレスはあえて反論しなかった。
 「チャコティ、トレス、セブン、付いてきて。フェイザーライフルを第2転送室へ。トゥヴォック。ブリッジをお願い。」
 「了解。」
 トゥヴォックが艦長席に座った。
 四人が転送で現れた。フェイザーを構えている。転送されたのは以前見たとおりの、果てが見えないほど長い廊下だ。あの数え切れないほどのベッドはないが、見たこともない機械が所狭しと並べられていた。
 「何者?」
 遙か遠くの方からした女性の声でジェインウェイはびくっとした。顔を上げるが、本人は出てこない。
 「私は連邦艦ヴォイジャーの艦長、キャスリン・ジェインウェイ。姿を現して。」
 すると、以前見たように、白い転送ビームが一瞬自分の目の前で光り、突然巨大なスライムのような物体が現れた。そして、徐々に縦長になると、ヒューマノイドの形になった。女性だ。
 「私はサスピリア。お前達が4年前に殺した者と同じ種族だ。」
 ジェインウェイが思わず反論した。
 「殺してないわ。彼は自ら命を絶ったの。我々が破壊したのは彼のテクノロジーだけよ。」
 「だが私はそう聞いた。オカンパやケイゾンの連中からな。」
 「誤解よ。」とジェインウェイ。
 「・・・それで、何故ここに来た。」
 「巨大なワームホールを見つけたのよ。構造の主要分子はテトリオン素粒子だった。探索のためにここにやってきたの。そこで、あなたを見つけた。」
 「なるほど。そして私にアルファ宇宙域へ返してほしいというわけだな。」
 ジェインウェイが微笑んだ。
 「よくご存じね。」
 「まあ私としては、どちらでもかまわない。どちらにしても、ここからお前達の銀河のアルファ宇宙域まで11万光年ほどある。ワームホールを通って、向こう側からアルファ宇宙域へ向かって発射しよう。計算するのに少しかかるから、少し待て。」
 「ずいぶんと寛大ね。」
 トレスが呟いた。サスピリアはジロリとにらんだが、やがて歩いていった。
 その時、ジェインウェイのコミュニケーターからトゥヴォックの声が聞こえた。
 『ヴォイジャーより艦長。ワームホール内部から船を5隻探知。一隻は非常に巨大です。』
 サスピリアが歩き出し、一番近いディスプレイを眺めた。
 「何なの?」
 ジェインウェイが歩み寄った。
 「船が3隻近づいているな。」
 「そりゃわかってるわ。」
 ジェインウェイが手を挙げた。
 「3隻はフォレラル船。」
 「フォレラル?」
 セブンがオウム替えしに聞いた。
 「知ってるの?」とジェインウェイ。
 「いや。」
 サスピリアがコンソールを操作した。
 「フォレラルはこの辺りにすんでいる生命体だ。ここから1光年ほどの所にある惑星にすんでいる。私の作ったワームホールを発見して以来いつもそこを通っていた。」
 やがてコンソールから音がした。
 「もう2隻の船も判別した。」
 そう言い、あわただしくコンソールを操作し始めた。
 「何してるの。」とトレス。
 「武器アレイを起動している。」
 「何?何なの?」
 ジェインウェイが尋ねた。
 「お前達もよく知っているはずだ。」
 そう言ってディスプレイを表示させた。
 3隻の小型船の後ろには、真っ黒で巨大なボーグ・キューブが2隻迫ってきていた。
 「ジェインウェイよりヴォイジャー。非常警報!ボーグ艦が2隻接近してるわ。サスピリア!」
 サスピリアが振り返った。「シールドを解除して。我々をヴォイジャーに戻して。」
 「だめだ。もうシールドを降ろす暇はない。ここで待っていろ。私が破壊する。」
 ジェインウェイが胸のコミュニケーターをたたいた。
 「ジェインウェイよりヴォイジャー。」
 『トゥヴォックです。』
 「ステーションを援護して。」
 ステーションがゆっくりと動き出し、設置されているビーム砲が動き出し、フェイザーが発射された。一発目は見事にキューブの中心を貫き、爆発した。だがもう一隻のキューブは魚雷を撃ってきた。
ステーションが揺れた。
 「シールドが損傷。現在損傷中だ。テトリオン魚雷を発射する。」
 彼女が再びディスプレイを操作した。
 白いビームがキューブに直撃し、深い穴が開いた。

 ヴォイジャー。

 トゥヴォックが命じた。
 「光子魚雷を装填。あの穴に向けて攻撃だ。」
 ヴォイジャーから発射された光子魚雷が穴の中に飛び込んだ。やがて爆発し、キューブは船体の半分以上を失ったまま、再びワームホールの中に逃げていった。

第3章
 「あのワームホールは私が造った物だ。600年ほど前にオカンパのことはあいつに任せて、私は銀河の探索に出かけた。だが、この銀河のことを調べ終え、隣の銀河へ行くために、このワームホールを形成し、ここに数十年いる。私はワームホールのそばにずっといたが、フォレラルの連中がこのワームホールを通過して向こう側に植民地を作ろうとしたらしいな。だが、ボーグに見つかった。」
 「大勢の人たちが同化され、植民地を作るどころか作られそうになっている。そう言う訳ね。」
 ジェインウェイが手を挙げた。
 「このワームホールは破壊できないのか?」
 チャコティがフェイザーを構えたまま尋ねた。
 「あのワームホールはお前達では中で自爆しても無理だ。このステーションのパワーを使ってワームホールを消滅させる。」
 トレスが一歩歩み寄った。
 「ちょっと待ってよ。ヴォイジャーが自爆しても破壊できないほど大きなワームホールなのよ。そんなことをして大丈夫なの?」
 サスピリアが振り返ってため息をついた。
 「これだから下等種族は困る。一つ一つ説明しなければならないからな。」
 サスピリアが深呼吸した。
 「このステーションのテトリオン素粒子を大量に使い、中でテトリオン爆発を起こす。」
 「ねえ。」
 ジェインウェイが近寄った。
 「大量って言うけど、爆発を起こした後に、我々を3万光年も飛ばす力は残っているの?」
 サスピリアが少し考え込んだ。
 「いや。必要なテトリオン素粒子を製造するにはあと260年ほどかかる。」
 サスピリアが簡単に言った。
 ジェインウェイがため息をついた。
 「・・・わかったわ。船へ返してくれない?その間、例の計算をやっておいて。」
 サスピリアがうなずき、小さく首を動かした。
 4人が白い光に包まれ、消えた。
 『艦長、私的記録。私は今重大な決断を迫られている。私がこの銀河系をボーグから守ろうとすれば、帰還のチャンスを再びつぶすことになる。しかし、ここで帰還を選べば、この銀河系は間違いなくボーグの餌食にされてしまうだろう。』

 作戦室。入室のベルが鳴った。
 「どうぞ。」
 入ってきたのはチャコティだ。
 「お呼びですか。」
 「なぜ呼んだかはわかるわね。」
 チャコティが顔を上げた。
 「・・・管理者のことについてですね。」
 「私は今すごく悩んでるわ。4年前の時と同じぐらいね。」
 チャコティが言いにくそうな表情をした。
 「私としてもこういうようなことは言いたくありませんし、艦長に対して異議があるわけではありませんが、見たこともない人々のために、自分のクルーを犠牲にするというのは、考え物だと思います。」
 「自分のクルーを犠牲」と言う言葉が胸に突き刺さった。
 ジェインウェイが呟いた。「行っていいわ・・・。」

 ブリッジ。

 ジェインウェイがクルーの前で話している。
 「・・・そして、私は4年前、このたびを始める決意をしました。想像以上に激しく、何度も命を落とすような危機もありました。しかし、ここまで乗り切ったのです。」 
 チャコティが小さくうなずいた。
 「・・・私はここで再び決断しなければならないのです。私はこの未知の銀河を守らねばなりません。艦隊の名の下において、彼らの命を助けるため、ワームホールを破壊します。」
 その時突然非常警報が突然鳴った。
 「艦長。ボーグ・キューブ6隻がワームホールから出てきました。」
 スクリーンのワームホールから、真っ黒な立方体が六つ出てきた。攻撃してくる。
 「全員戦闘配置!シールド最大!トゥヴォック、光子魚雷発射!」
 ヴォイジャーとステーションが攻撃を始めた。ボーグ・キューブ1隻はあっさりと破壊できたが、2隻目からはそうはいかない。
 「シールドに揺らぎあり。補正不可能です!」
 「メインパワー低下!サブシステムもダウンしました!」
 ジェインウェイが叫んだ。
 「パワーを迂回させて!反撃して!」
 キューブが再び爆発した。しかし、後の4隻は全く効果がない。
 「ステーションの攻撃は吸収されています!」
 「艦長!」
 チャコティが声を上げた。
 「ステーションから通信。音声のみです!」
 「聞かせて!」
 『ヴォイジャー。私はサスピリア。お前達の決断は了解している。ボーグ・キューブがあと15隻こちらへ向かっている。今すぐワームホールの向こう側に戻れ。私がワームホールを破壊する。』
 ジェインウェイが立ち上がった。
 「待って!あなただけでは危険よ!他にも方法が・・・」
 『これ以上方法はない!』
 サスピリアが怒鳴り、通信が切れた。
 「艦長!テトリオンビームを探知!ステーションから打ち出されています!」
 ジェインウェイが振り返った。
 「スクリーンへ!」
 ステーションから真っ白なビームが形成され、一気に発射された。ボーグ・キューブ2隻を木っ端微塵に吹っ飛ばし、ヴォイジャーを飲み込んだ。
 「シールド低下!どんどん押し出されています!」
 ヴォイジャーは白い光に包まれながら、ワームホールを通過し、出口からはき出された。すると、目の前を15隻のキューブが通り過ぎ、ワームホールに入っていった。
 ステーションは移動を始め、ワームホールへ入り、内膜へ向かって攻撃し始めた。キューブの集中攻撃は続いている。
 ステーションの中で爆発が起こった。サスピリアが転送移動してコンソールの前に立った。
 「武器が停止した・・・」
 「艦長。ステーションからエネルギーサインを探知。どうやら、自爆シークエンスを起動させたようです。」
 キムが報告した。
 ステーションの中で、壁や天井が次々に爆発していった。サスピリアがよろけて床に倒れた後、一言呟いた。
 「私も管理者になれた・・・」
 ステーションの突起物が次々にはずれ、翼のような物も爆発で吹き飛んでいった。中心部が爆発が始め、ステーションは大爆発した。
 ヴォイジャーの目の前で開いていたワームホールが、どんどん不安定になり、閉じていった。しかし、閉じる直前に轟音がし、辺りは光に包まれた。
 ブリッジが爆発した。
 「大規模な亜空間爆発探知!シールドが消失。メインパワーは無事です!」
 ジェインウェイが顔を上げた。ワームホールがあったところには、今は何もなかった。


 作戦室。

 入室のベルが鳴った。
 「どうぞ。」
 チャコティが入ってきた。
「最新の修理レポートです。シールドはほぼ修復し終わりました。ワープも間もなく復活します。」
 ジェインウェイが元気がないことを察したチャコティが言った。
 「艦長。あの決断は決して間違ってはいません。ワームホールが消失したことで、ボーグの隣の銀河への進行は不可能になった。」
 チャコティがジェインウェイの表情を伺った。
 「ええ。でも、管理者を犠牲にし、また私のクルーを犠牲にしたわ。」
 チャコティは黙ったままだったが、やがて「失礼します」と言い残し、去っていった。



がくやうら

ジェインウェイ:「今回はずいぶん長かったわねー。いつ終わるかと思ったわ。」
トレス:「私は今回は結構出てたわ。さすがに前の話は一度しか出なかっのよ。」
サスピリア:「どう見ても第3シーズン『管理者サスピリア』の応用編だな。いや、コピーだ。」
パリス:「でも、内容的にはだいぶ変わってたろ?(また今回もドクター出てこなかったなー)」
ボーグ集合体:『トレタマはいつも我々ばかり使用する。しかも、我々はいつもやられ役だ。たまには休みも出してほしいものだ。』
チャコティ:「とりあえず、2話同時に出したんだから、しばらく休みじゃないかな。ああ、いい加減に地球に帰りたいよ。」
セブン:「とにかく、これで『もう一人の管理者』は終わりだ。ここまで読んでくれた皆様に、深く感謝する。」
全員:「(なぜかセブンが締めた・・・)」

・・・感想・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、サスピリアの言ったとおり、この話は第3シーズン「管理者サスピリア」を主軸にした話で、「管理者サスピリア」はなかったものとしてお読み下さい。
ボーグもおっしゃるとおり、僕はちょっとボーグを使いすぎてるんじゃないかなーと反省しています。なんだかいつもいつもボーグ(だから「約束」ではヒロージェンを出したんです)。と言うわけで、今度書くときは(あればの話ですが)もっと違う種族を出したいと思います。いやー、長かったっす。これ書き始めたのはたぶん9月の中盤ぐらいだったと思います。とにかく、セブンと一緒に、読んで下さってありがとうございました。

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